以前、義父の認知症の事をわかってほしくて夫が時間をかけて説明したことがありました。
義母は、ずっと下を向いて黙って聞いていました。
理解してくれようとしているんだな、義母も含めて3人で義父の介護をしていけるな、と思った矢先。
「お前たちっ!!お父さんのことそんなふうに思ってたのかっ!お父さんがボケるはずないだろ!!」
と、ブルブル震えながら怒り出したことがあります。
介護サービスにアレルギー反応
といっても、もちろん、じんましんが出るわけではなく、全身で拒否するって感じです。
それはもう、激しく。
介護という言葉がもうだめ
介護は年寄りがされるものだし、自分は年寄りではないし、老人でもない。義母の言葉の端々をまとめるとそういうことでしょうか。
自分で何もできない老人が、行政にお願いして、してもらうのが介護。
義母は自分が80歳でも82歳の人を年寄りといいますし、時には75歳の人だって年寄り扱いします。
年寄りばっかりだからと老人会には行きません。
もしかしたら、自分はまだ60代くらいに思っていたのかもしれません。介護の話題のときだけは。
なので、義母は自分の身に「介護」という言葉が関わってくるのを極端に拒否するようでした。
嫌がるというより、拒否なんです。
震えて怒る
冒頭の話の時もそうでしたが、義母は気性が激しい人です。
殿様気質で、気に入らない事があると眉間にシワを寄せて怒ります。
義父の認知症や介護サービスの話をした時は、真っ赤になり身体中をブルブル震わせて大きな声で叫んだのです。
年代的にもまだまだ「認知症」という言葉に馴染みがなく、「呆ける」とごっちゃになってしまうのだと思います。
私たちが義父をみて「認知症の始まりだ」と思って話をしていても、義母にしたら「お父さんはまだボケていない!」と反論したくなったのでしょう。
そして、義母は心臓に持病があります。
こんなに怒って興奮したら身体に悪いに決まっています。
なので私たちは、この話題をそーっと様子を見ながらでしか出せなくなってしまったのです。