これは、義父が認知症外来を受診する3年くらい前のことです。
動かなくなった洗濯機
義母が洗濯中に動かなくなった洗濯機。
いろいろボタンを押してもウンともスンとも言わない洗濯機に業を煮やした義母が、義父にどうにかしろと言ったようです。
ウーウー、キーキー
洗濯機はすすぎ中だったらしく、水がいっぱい入っています。
ウーウーとモーターの音はしているのに、回りもせず排水もできないと義母が大声で話しています。
義母は義父にどうにかしろとキーキーいうばかりです。
義父と洗濯機の格闘
洗濯機は、せまい洗面所兼脱衣所にあります。
奥に義父がいて、入口には義母が仁王立ちしています。
何してるの
義母の肩越しにのぞき込むと、義父が水がいっぱい入っている洗濯機を動かそうとしていました。
周りに水がチャプチャプ溢れています（泣）
重い、重い
義父は洗濯機の下を見たいようですが、重くて動きません。
顔を真っ赤にして持ち上げようと頑張っています。
どうやら洗濯機ごと、隣にある風呂場に倒して、水をこぼそうという作戦のようです。
周りが見えない
狭いところで力を入れているので、そこに置いてあったプラスチック製のワゴンや洗濯カゴに義父が乗り上げて壊しています。
こんなふうに、ひとつの事（今は洗濯機の水を抜く事）しか見えなくなる場面が多くなってきたのです。
義父は、洗濯機を斜めにすることもできず怒り出しています。
私が代わります
こんな状態では後始末が大変！そして、きっと片付けるのは私だけです。
お義父さん、腰が痛くなりますよ、私が代わります。
床を拭く
まずは電源コードを抜きました。感電したら怖いですからね。
それからビショビショの床を拭きましょう。
何度も何度も雑巾で吸い取っては絞り…。
奥に進んで、作業スペースの確保です。
壊れたワゴンやカゴを全部廊下に出しましょう。
洗濯機だけになりました。
ようやく作業開始です。
洗濯機の中をカラにする
バケツで洗濯機の中の水を掻き出しました。
洗濯機を動かさなくても水は減らせました！
残った洗濯物を全部バケツに出しました。
ついでに洗濯パンもキレイに拭きました。
原因解明
洗濯槽を傾けて、隙間を覗いてみます。
洗濯槽は動かない
手で洗濯槽を回そうとしても動きません。
傾けてみようとしても、大きく動く位置が限られています。
どうにかこうにか腕が入る位置がありました。
頑張って腕を突っ込みます！
洗濯槽の外側はヌルヌルして気持ち悪いです。
ウエットスーツ
洗濯槽の下を手でさぐると、何かあります。
ゴムのような手触りのものが絡まっていました。
どうにか取り除いてみたら、ウエットスーツです！
夫も私も、もちろん義父母もウエットスーツなど持っていません。どうも義妹の物のようです。
これがはさまっていたのが原因でしょうか。
でも、洗濯機は動きませんでした。壊れてしまったようです。
義母の怒り
洗濯機が壊れた原因がわかっても、義母の怒りの矛先は義父です。
脱衣カゴに使っていたプラスティック製の2段ワゴンの脚が折れたと義父を責めていました。
洗濯機の事はもうどうでもいいようでした。
ぐにゃぐにゃワゴン
責められた義父は、折れた脚をビニールテープでつないで、ぐにゃぐにゃのワゴンにしていました。
後片付け
掃除と洗濯物の後片付けが残っています。
ぐにゃぐにゃワゴンができて、自分の仕事は終わったと義父。
あまりに義母が怒っているので、どこかに出かけてしまいました。
義母はプンプン怒っていますが、後片付けどころか洗面所に来ることもしません。
このままではお風呂に入ることもできないので、仕方なくびしょびしょの洗濯物を、ひとつひとつ手で絞って干しておきました。
買い替え
当然、洗濯機は買い替えです。
義母からお金を預かり、その日のうちに電気屋さんへ行きました。
今度は毛布も洗える大きさの洗濯機を購入！
壊れた洗濯機はとても古く、容量も少なかったのです。
3日後、新しい洗濯機が届いて、一件落着です。
