もともと義父には物をため込む癖がありました。
買った物はもちろん、もらった物も。
例え使わなくても壊れていても、自分の財産なのでしょう。
それらを捨てることはありません。
拾ってくる
マンション掃除のアルバイトをしていた義父。
マンション内のゴミ置き場に出された住人のゴミを、収集日の朝に回収場所に運び出すのも仕事のうちです。
ビニール傘
義父はビニール傘を拾ってきます。
ワンルームマンションで若い住人が多いせいか、雨のたびにビニール傘がゴミ置き場に捨てられています。
雨が降るとコンビニで傘を買って、いらなくなった傘を捨てているようです。
捨てられる傘の中には、一度使っただけのものもかなりあるのです。
もったいない
たぶん初めは「使えるのにもったいない」だったんじゃないかと思います。
ほぼ新品のビニール傘。
私だって、もったいないなと思います。
廃棄しなくてはならない
でも、義父はマンション掃除の仕事をしているので、住人がゴミ置き場に出した物は捨てなくてはならない決まりです。
夫が持ってこないよう注意しますが、まったく聞く耳を持ちません。
やはり傘を持ってきてしまいます。
分別できない
そのうちに義父は壊れた傘も持ってくるようになりました。
傘をどう捨てればいいのかわからなくなってきたのです。
回収されない傘
普通ゴミの収集日にビニール傘を出しても、回収されずに残されてしまいます。
それが義父をイライラさせるようで、なんでだ!なんで持っていかないんだ!とゴミ収集を担当する環境局に電話をしてクレームをつけ始めます。
溜まっていく傘
たぶん役所の人は義父に傘の処分方法を教えてくれたと思います。
でも義父は話を理解できず、回収しろ!と怒るばかりです。
マンションのゴミ置き場には、捨てられなくなった傘が溜まっていきました。
ゴミを片付けるのが仕事
『マンションのゴミ置き場をキレイにする』のが仕事だというのは覚えているので、回収してもらえない傘は自宅に持ってくるようになりました。
車庫や納戸、玄関に
押し入れや部屋の中、布団の間。
家のどこを見ても傘があります。
傘、捨てましょうよ、と義父に言ってみますが、なんでっ!と怒るばかりです。
一度家に持ってきたら、それは義父の財産。勝手に私が捨てるなどとんでもないことのようです。
義母も、あるのが当たり前で、なんとも思わないようです。
200本以上の傘
もう限度を超えているので、私は義父に黙って傘を捨てることにしました。
壊れたものからコツコツと
義父の目につきにくいところにある、壊れたものから捨てることにしました。
一般家庭から出すゴミなので、1度に捨てるのは10本以内と決めました。
数ヶ月かけて
義父がいない時にコツコツと処分して、残ったビニール傘は4本ほどになりました。
私と夫はビニール傘は使わないので、義父母の分があれば十分でした。