人と暮らすには我慢が必要

「人と暮らすには我慢が必要」
いっけん、まともな言葉に聞こえるから怖い義父の言葉です。

 

やりたい放題

これも、認知症外来を受診する前からのことです。

義父は、自分のやりたいことを好きな時間にやります。
気になることがあると、用意した食事も取らないし、夜中に起き出しては行動します。

 

パソコン

ワープロからノートパソコンへ変えた義父は、思い通りにならない操作に悪戦苦闘していました。
夕方から夜中まで、「できねえ」だの「わからねえ」だの言いながら、キーボードをパシンッパシンッと叩きます。

目の前に置いた食事に手もつけず、かといって片付ける訳にもいかず。
結局手伝って終わらせるしかないのです。

 

落ち葉掃除

義父は、管理を委託されている公園の落ち葉が気になると、掃き掃除を始めます。
それ自体は悪いことではないのですが、問題は時間です。

竹ぼうきのザッザッという音はかなり遠くまで響きます。
義父は思い付いたら我慢できないので、深夜でも早朝でも掃除しに出かけます。

 

大きな音

義父の立てる音は大きいので、昼間でも「何ごとっ?」と驚いてしまいます。それが深夜・早朝だとしたら。

 

段ボール

義父は段ボールの束を投げ下ろします。
早朝4時ごろ、中二階にある納戸から段ボールの束を投げ下ろした時は、びっくりして飛び起きました。

ひとつずつ運ぶのが面倒になったのでしょうか。
50センチ四方ほどの段ボール箱を畳んで束にしたものを放り投げたのです。
ドーーンッ!。バンッ!。
家が震えるほどの大きな音がします。

 

雨戸


義父は、夜中の2時3時にバッシーーーンと大きな音を立てて雨戸を開けたり閉めたりします。

それはそれは大きな音と振動です。

 

近所迷惑


あまりのうるささに、夫が近所迷惑だと注意すると、義父はこう言い放ちました。

 

人と暮らすには我慢するもんだ!

何がっ!
今やらねばいけないでしょうがッ!
(いや、夜中にやらなくてもいいでしょう)

なんでッ!オレの仕事邪魔するのっ!
(昼間にやればいいでしょ?こんな夜中に大きな音立てたら近所迷惑になるよ)

夜中?何で?オレはさっき起きたんだよッ!
あ?
人と暮らすというのはなぁ、我慢するもんだ!

 

お風呂

近所迷惑ではありませんが、お風呂にも困らされました。

私が入浴中でも、お風呂場に入ろうとするのです。
義父は、義父の時間で動いているのでしょうが、困ります。

義父が歯磨きしたり手を洗ったりするのに、洗面所を使うのは当然です。でも、扉が閉まっていて中の電気が点いていたら誰か入っていると考えて欲しいものです。

脱衣所は洗面所と兼用で、入口に鍵はありません。
お風呂場のカギを閉めて入っていても落ち着かないし、湯上がりに来られても嫌なのです。

仕方なく、義父が比較的よく寝ている深夜1時ごろまで待って入浴していました。

義母や義妹に話しても、何が悪いの?と言われてしまいました。

 

義父と暮らすには我慢が必要

きっと、よその人が「人と暮らすには我慢が必要」と聞いたら、義父の言うことが正しくなるのでしょう。

私たちは、義父のやることに反抗するダメな息子夫婦と言われるのでしょう。

義父のやることには、同居人は我慢しろ!ということらしいです。

もっとも、義父は同居人とも思っていないようですが。