病院に行こう

15年くらい前のことです。

義父の言動がおかしいと感じたので、認知症外来を受診させたいと思いました。
薬やカウンセリングで現状維持もしくは多少の改善を期待していたのです。

 

認知症を疑うきっかけ

当時は、物忘れが主な症状でした。
パソコンの操作方法を何度も何度も聞いてきたり、人から頼まれた用事を忘れたり。
あとは時々、異常に興奮したり激高することが増えてきたり、助言を聞いてくれなくなったりしました。

もともとの性格がどんどんデフォルメされていくように感じました。

精神科という名前に抵抗

当時、近くにある病院では精神科で認知症の診察をしていました。
その診療科科目の名前だけで、義母が抵抗し始めました。
「そんなところにお父さんを連れて行けない!」
「親にそんな仕打ちするのか!」
「誰かに見られたらどうする!」

思ったとおりの抵抗です。
かついで連れて行くわけにもいきませんから、ここはしばらく放置です。
ほとぼりが冷めるまではどうしようもありません。
なるべくこじらせないように、見守り続けるしかなかったのです。

 

一旦は断念したけど

数年経つうちに義父の物忘れもひどくなってきました。
他の症状も出てきました。
四六時中何かを探しています。
セールスも、いいよいいよと契約してしまいます。
拾ってきたものをため込むようになりました。

 

部屋に山ができ始める

やりっぱなし出しっぱなし。
使ったものを元の場所に戻さないで、その辺に積んでおく。
ものが山になっているので必要なものが見つからない。
1日中探し物をしている。
探しても見つからないので新しく買ってくる。
山が大きくなる。
だからよけいに見つからなくなるという悪循環。

 

金銭への執着が強くなる

元々、「お前のものは俺のもの。俺のものも俺のもの」という性格でした。それが、段々にひどくなってきました。
お金を貰ったりローンの保証人になってあげる時だけニコニコと話しかけてきますが、ハンコを押した瞬間にサッと笑顔が消えてあとは口をきかなくなります。
盗まれるからと、寝るときには財布や通帳をカバンに入れて抱いて寝るようになってきました。


見守るだけでは無理になってきました。

でも、本人に自覚がありません。
悪いところなんかないといいます。
そのわりに内科や整形外科なんかは大好きで、しょっちゅう通っています。

 

時代が変わり物忘れ外来に

月日は流れて10年ほど前のこと。

キャラクター笑顔

世間でも認知症についての報道や発信が多くなってきたころで、医療機関もいろいろ考えてくれたのでしょう。認知症の診察へのハードルが下がるように「物忘れ外来」という名前をつけてくれるようになりました。

 

「物忘れ外来」に誘ってみる

このころには車の運転も危なくなってきていました。免許の自主返納を勧めたくて診断をつけてもらおうと考えました。(免許自主返納については別記事で)


義父の機嫌のいい時に物忘れ外来に行きませんか?と誘ってみました。
義父本人は、行ってやってもいいぞ、と偉そう…
自分でも物忘れが多くなったと思っていたのでしょう。
(お薬で良くなるみたいですよ)とささやいたのも効果的だったようです。

次は難関の義母です。
これがあっさり了解しました。
もっと嫌がるかと思っていたので拍子抜けしたほどです。
しかも一緒に行くとまで。(なんで?)
この時の義母の思惑については別記事で。

 

物忘れ外来に予約する

5年かかったけれど、ようやくここまできました。

さあ!気が変わらないうちに予約です。
義父が内科でかかったことのある病院に、物忘れ外来ができています。

電話をして予約をお願いするとーーー

…まあ、予想はしていましたが予約できたのは1ヶ月後です。
気が変わらないといいなぁ。